kaja日々向上

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【読書感想】十二人の死にたい子どもたち

※あくまでも個人的な感想です、参考程度に留めていただければと思います。

 

現在公開中の十二人の死にたい子どもたちの小説と映画を見たのでまずは小説の方から感想を書きたいと思います。

 

あらすじ

廃病院に集まった十二人の少年少女。彼らの目的は「集団安楽死」をすること。 決を取り、全員一致でそれは実行されるはずだった。だが、病院のベッドには“十三人目”の少年の死体が。彼は何者で、なぜここにいるのか? 「実行」を阻む問題に、十二人は議論を重ねていく。互いの思いの交錯する中で出された結論とは……?

 

設定がおもしろい、最後までわからない騙し合い

 露骨に初期の段階で怪しい子がいてて本当に怪しい理由があったり、頭が良く安定した言動で混乱している場を納めていく子や、逆に混乱を利用する子、疑問をぶつけていく事で無意識にヒントを与えていく子や冷静に全員を見ている子とみんなよくこの短時間でここまで動けたよね考えることが出来たよねって思うほどそれぞれの良さや魅力を引き出せていておもしろい。その中で前半に犯人ではないのかという疑惑が出た子がおり、その議論をする前に疑惑を信じた子がいてよけいな展開になったもののそこから更に話し合いが進んでいき本当に引き込まれました。

 

正解が無い、悪いダメとも言えないけど生きてほしい

 十二人の抱えている事情がバラバラで、そう思うのは仕方がないのかもしれないと考えさせられる子や、出来ることなら生きてほしいと思う子。どうして生きることが出来ないのかの一人一人の問題に対してそう言われたら自分は何かしてあげられるのか、自分ならどうするかを考えさせられました。そして同様に十二人の中でそういった手を差し伸べ合うシーンもあり、十二人が前へ向いていくことになる過程は楽しめます。

 

まとめ

登場人物一人一人が魅力的で、明るい子や暗い子と性格も違っているため考え方も違う。 だから死にたいって理由も様々でそこまでに行き着いた背景が少しずつわかっていく事でより魅力が増した。一つの視点では無く十二人の視点だからこそ、ストーリーがうまく進んでいくと感じました。すっきりする点と、この後どうなってしまうんだろうという点があって読んだ後なんとも言えない感情になります。でも十二人のスタートを心から応援したくなるほど最後の方は登場人物に感情移入していました。ハラハラドキドキさせられ、スピード感のある議論の中で出た答えの重さと登場人物達の関係が本当に愛おしいです。あまりにもおもしろくて1日で読み終えました。最終的に一番こわいのってサトシ君じゃないか…彼はこれからどうなるんだろうという少しゾクッとする部分も含めて本当におもしろい一冊です。